岐阜市民病院 新型コロナについて説明会

岐阜市議会臨時会後に、岐阜市民病院の病院長である太田宗一郎氏より、新型コロナウイルス感染症における症状、予防対策、PCR検査の概要など学識的な情報をもとに、説明を頂きました。
以下に、重要な部分を選択し、まとめましたので、提示させて頂きます。

【新型コロナウイルス感染症について】
新型コロナウイルスの侵入経路には、①飛沫感染(エアロゾル感染含む)、②接触感染があります。
※空気感染は起きていないと考えられていますが、閉鎖した空間・近距離での多人数の会話等には注意が必要です。

1.飛沫感染
飛沫感染とは、感染症患者の咳やくしゃみの「しぶき(飛沫)」を直接吸い込むことによって生じる感染経路のことです。
飛沫というのは、飛沫核というものの周りに水分がまとわっている状態です。
例えば、①クシャミ:約40,000個の飛沫が飛び散る、②5分間話す・咳をする:3,000個の飛沫核が飛び散る
というようになっていて、要するに水分がないとうつりにく。つまりソーシャルディスタンスといわれているのは、飛沫が届きにくいからとのことです。

2.エアロゾル感染
ただ、せきやくしゃみをすると、大量の飛沫とともにエアロゾル(飛沫と飛沫核の中間)が発生することがあり、大量の飛沫が発生した場合、空気中をただよい3時間程ウイルスが生存する可能性もあるとのことです。

エアロゾル感染を防ぐには?
 ①室内の空間をさける(3密空間の回避)
 ②喚起をこまめにする
 ③咳がでる人に普通のマスク 医療者にはN95
 部屋の喚起が重要。空気がよどんだ所は絶対にダメ。
 感染が成り立つには、漂うウイルスの濃度が関わる。
 喚起によって希釈すれば感染の可能性を減らすことができるとのことです。

3.接触感染
名前の通り、皮膚や粘膜の直接的な接触や、手、ドアノブ、便座、ボタン等の表面を介しての接触で病原体が付着することによる感染のことです。
患者→鼻水・つば・便・吐物など→患者の手→その辺りの物→自分の手→自分の目・鼻・口
というような経路で感染しますので、触れるものすべてにウイルスがいると思って対応してください。

<ウイルス感染力維持時間>
 厚紙:24時間
 ステンレススチール:48時間
 プラスチック:48時間
 銅:4時間

4.コロナの退治法
感染症を失うには、
・石鹸
・洗剤
・アルコール(70%以上)
・次亜塩素酸0.05%
・70度以上で一定時間熱する
・乾燥
※石鹸で手を隅々まで洗うことにより、手についたウイルスは感染症を失います。
※洗剤で服を洗うことで、服に付着したウイルスは感染症を失います。

5.時間を稼ごう
・ワクチン、特効薬が実用化されるまで1年以上とされ、開発されてもどれだけ効くか分かりません。
・それまで、全国各地で流行と収束を繰り返す可能性があります。
・数々の感染症対策を組み合わせ、時間を稼ぎましょう。
・その間に、コロナ対策と自分たちの仕事・理念・ミッションの達成を両立できるよう工夫していきましょう。

6.まとめ
感染しないために、感染を広げないために!
(1)手洗い・手の消毒の徹底
   玄関先で、アルコール性手指消毒を行う
   外出先では食事の前は必ず手洗い
(2)クラスターになりそうな場所を避ける
   換気の悪い所、べたべた物を触ることが多い場所に長時間いない
(3)咳エチケット
   マスクは、人にうつさないようにすること
   マスクを触らない

自分を守ることが、家族や職場の人たちを守ることとなり、それが日本全体を守ることにつながっていきます。

以上は、説明会での話をまとめていますが、これからの社会は「Withコロナウイルス」時代に突入したという見方もあります。一人ひとりが気をつけ、エチケットを心がけ、コロナウイルスから自分自身を守っていきましょう。

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岐阜市のクラスター「終息宣言」

岐阜市のクラスター「終息宣言」

岐阜市内で、3月31日より、柳ケ瀬のナイトクラブ「シャルム」、高級焼肉料理店の「潜龍(せんりゅう)」や職場などの3つのクラスター(新型コロナウイルスの集団感染)が発生しました。
岐阜県においては、当該クラスターを封じ込めるために、4月13日に、「岐阜県・岐阜市クラスター対策合同本部」を設置し、以下のように取り組みがされました。

(A)ナイトクラブの従業員17名全員及び利用客25名について、PCR検査を実施。
(B)料理店の従業員36名全員及び利用客175名について、PCR検査を実施。また検査を受けなかった利用客230名のうち215名に健康観察を実施。
(C)2つの職場の従業員7名全員について、PCR検査を実施。

上記3つのクラスターに関する検査等の結果、岐阜県外「4名」を含め、「72名」の陽性患者が特定されました。

そして、厚生労働省クラスター対策班及び岐阜県専門家会議(4月29日)において、岐阜市内のクラスターは、「それぞれの健康観察期間が終了すれば、終息と評価できる」と判断し、その後、岐阜市内のクラスターの健康観察期間が、「A」は5月4日で、「B」は5月2日で、「C」は5月5日で終了したとのこと。

以上、これらをもって、岐阜県・岐阜市クラスター合同対策本部として、岐阜市内のクラスターは、終息したと判断する旨の連絡がありました。

まだ新型コロナウイルスの感染拡大には防止策を講じていかなければなりませんが、岐阜市内で増幅したクラスターが終息したことについては安堵しています。

明日、第10回岐阜市新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催され、情報共有、政府の非常事態宣言5月末までの延長を受けての岐阜市の非常事態総合対策の見直しが行われます。
次は、緊急事態宣言が延長したことによる、岐阜市内の中小企業への支援策や今後の教育環境などについて、ゴールデンウィーク明けの議会でしっかりと審議をしていきます。

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