令和4年第3回(6月)定例会での報告と決定された事業内容の一部を紹介します。
浅野まさき:
岐阜市が目指す市街化区域内農業について、また、生産緑地制度の導入についてはいかがでしょうか。
岐阜市長:
「生産緑地制度」導入により、「特産農作物の産地保全』、『農業の担い手の維持・確保」を期待しています。 さらには、子どもたちの農業体験の実践の場や市民農園の新規開設も視野に入れながら、持続可能な都市農業を推進していきます。
「生産緑地制度」導入への経緯
長良川によって運ばれてきた肥沃な砂質土壌を活かした「えだまめ」「だいこん」「ほうれんそう」など、特産農作物の生産が盛んな岐阜市ですが、農地全域のうち市街化区域内の農地が約3割を占めています。農地の固定資産税等に係る土地評価が宅地並みに高 い水準であるため、農業経営者にとって税負担が大きいこと、また 宅地と農地が混在することにより農作業が非効率になるなど、営農環境は厳しい状況です。そのため、農業経営の縮小、農業者の減少などが課題となっています。
農地全域のうち市街化区域内の農地が約3割を占めている岐阜市。 市街化区域内農地の面積規模は、 全国でも倉敷市に次ぐ2番目の広さになります。
「生産緑地制度」導入のメリット
岐阜市では、令和4年度内の「生産緑地制度」導入を目指して調整を進めています。生産緑地制度は長期の営農が義務付けられますが、 固定資産税等の軽減などのメリットがある制度です。これにより、市街化区域内での農地確保・拡充がしやすくなります。
岐阜市は昨年度から、JAぎふとともに複数回にわたる生産緑地制度に関するセミナーや勉強会を開催し、農業者への理解を深めてきました。農業者の方々の意見を聞きながら、生産緑地制度のルールづくりなどを進めています。
岐阜市で生産されている農作物
特産農作物として、えだまめ、だいこん、ほうれんそうなどが主に生産されています。 そのほか、米、小麦、いちご、柿などの施設園芸、果樹、畜産物生産など、 多様な農業が営まれています。
視察レポート REPORT
農林水産省では持続可能な食料システム の構築に向け「みどりの食料システム戦略」を掲げ、「2050年までに有機農業の農地を全体 の約25%(現状は0.5%)にする」取組を目指す」 など、大きな波紋を呼んでいます。
先日、岐阜市内の有機農業をがんばる若手農家さんを視察したところ、近年の健康志向の高まりや、カーボンニュートラル対応を見据えながら、持続可能な農業をしっかりと考えていらっしゃいました。次世代の農業を担う若手農業者が岐阜市で活躍しており、頼もしい限りです。